+開始〜+  +2歳半〜+  +2歳9ヶ月〜+  +3歳1ヶ月〜+  +3歳4ヶ月〜+  +3歳7ヶ月〜+
+3歳10ヶ月〜+  +4歳1ヶ月〜+  +4歳4ヶ月〜+  +4歳7ヶ月〜+ 
 +5歳1ヶ月〜+ 
<2歳9・10ヶ月>

保育園が始まり、加配の先生にも慣れたようです。こてつの通う保育園は、市内でも障害児との統合保育に力を入れている園で、殆どのクラス(赤ちゃん組み以外)に障害児がいて、加配が付いています。先生も研修などによく行かれ、勉強されており、こてつ以外にも自閉の子供さんはいるので、その中でこてつも無理無く過ごしているようです。
家での訓練?は今まで通り、仕事が終わってこてつ&ねぇちゃんを迎えに行き、家に帰って夕食を摂り、お風呂までの間に主に机に座る課題(鉛筆を持ったり、カードを使ったりすること)を行っています。時間にして10分しているか? あとは、随時空いた時間やこてつが本を持ってきた時に本を読んであげたり、動作模倣をしてみたりといった感じです。


    ・マッチング

殆ど音声→カードのマッチング、カード→命名ばかりしていました。カードはクラックのカード、公文のカード等を使い名詞の理解がかなり進んだと思います(思いたいです)。
あまり、課題・・・という感じの姿勢を取る事をやめ、カードを広げてバラバラ遊んでいる時に、「○○頂戴」と言って取らせたり、「これ何?」と聞いて言わせたりしていました。マッチングと言うよりも聞き手行動かもしれません。


    ・動作模倣

ちょっとサボっていたので、進んでいません。口形模倣・少し細かい模倣・道具を使用しての模倣をしています。

    ・鉛筆を持つ

線描き、グルグル描き、塗り絵(市販のワーク)などをしましたが、以前のように嫌がる事は無くなったものの、プロンプトが無ければ左右どちらの手でも持ちますし、持ち方も握り箸のような持ち方になります。
シールを貼ってその周囲をグルグル〜と描くのは理解できたようなので、市販のワークを使って線引きの練習をしてみましたが、これはなかなか理解してもらえず、ひたすらプロンプトしていました。

     
・聞き手行動

これは特に課題として場を設定するわけではなく、日常生活の中で思いついた時に「これ、パパにあげて」「靴持ってきて」「座って」「パパにチューして」「ねぇちゃんの頭どれ?」など色々言って、分からなかった場合その時その時教えています。
ま、自閉くんですから何時でも聞いてくれている訳で無く、マル無視されることもよくありますが、その辺りの対応はファジーになっています。
まだ、聞き手行動も単純な文章しか理解できず、例えばこの前こてつと家に帰る車中、家が見えてきたところの信号にかかり、私が「こてつのお家どれ?」と聞くと「お家どれ?」に反応し、適当に見えている家を「おうち」と指差す。「こてつくんのお家どれ?」で、今度は強調した「こてつくん」に反応し「こてつくん」と自分を指差す。まだ理解はその辺りのレベルです。

~~~~~~~~~~~~~~~~~
前回のセッション時に「頂戴」の問題が出ましたが、やはり便利な言葉、「頂戴」はその後も言い続け、例えば喉が乾いてお茶が飲みたい時に「お茶」と要求する時と「頂戴」と要求する時があります。「お茶」と要求した時にはすぐに対応してあげるが、「頂戴」と要求して来た時には「何を?」と私が聞きなおし、「お茶」という言葉を引き出そうとしていました。しかし、こてつはこの「何を?」の意味が理解できておらず、「頂戴」「何を?」「頂戴」「何を?」の押し問答になり、徐々にこてつのボルテージが上がるのが見て取れました。(癇癪までには至りません)
今月は奥田先生もお忙しく、セッション枠が取れなかったので、メールでそのことを何気に報告したところ(私は大した問題とは思ってなく、現状報告のつもりで)、次のような返事をいただきました。
・こてつが「何を?」に返事できないのはまだそこまでの発達段階に来ていないから。
・だから「何を?」としつこく聞き続けることは妨害刺激になる。
・母は「頂戴」と言ってきたらその物の名前(分かっているなら)をプロンプト(まずは頭文字を口形で見せる→ダメなら頭文字を言う→まだ言葉が出ない場合は2文字言う→最後はフルプロンプト)し、どの段階でこてつから言葉が出てもすぐに強化をする。

日常の中で何気なくしている行為も、こうやって専門家から指導をうけると「そうか〜」と改めて気づかされます。母はつい躍起になってしまうところがあり、その躍起になっている状態にその時は気づかなかったりするので、やはりスーパーバイズを受けることは、こてつにとって望ましいことなんだと思えたエピソードでした。


<2歳11ヶ月>

言葉が単語レベルとはいえ、そこそこ出てきたので何となく気が緩んでいた月でした。
言語の面よりも、手指の巧緻動作の困難さ及び左右の手の協調性の悪さが目に付き、日々の課題も今までのものと違い、塗り絵や鉛筆を使った線引き、シール貼り、ハサミの練習、などに時間を割いていました。

~~~~~~~~~~~~~~~~
ーー約2ヶ月ぶりのセッションーー
セッションの場所がまた前回と変わり、初めての場所だった為始めから大泣きのこてつ。結局最後まで泣き続け目も閉じたままでした。
そんな中で行ったように見えたこと。
・シール貼り
・線引き(2つ貼ったシールを結ぶ、勿論目をつぶっているのでフルプロンプト)
・聞き手行動(単純な「お腹」や「頭」「耳」など

まぁ、私の期待した課題としては殆ど出来なかったという状態です。

余談ですが、こてつは本当に初めての場所などへの順応に時間がかかり、セッションどころではないと言う感じになってしまうので、その点も先生に「ここまでしつこく泣くのも珍しい」など言われました。大体は泣いてても技を使ってるうちにペースに乗せられるらしいですが・・・。しかしこてつは泣いて外からの刺激を一切拒否するような状態であったにも関わらず、先生の働きかけで一応泣きながら目を瞑ったまま、やろうと手は動かす・・・という微弱な反応は出ていました。

こてつへの指示が「頭触って」や「パチパチして」「「回って」は出来るけど、「頭触って回って」など、2つ組み合わせると、後のものしか出来なくなる…と言うことを相談したところ、それだけ長い文になるとその時に記憶しないといけない情報の容量も増えるから、まだそれだけの情報量を記憶出来ていないのだと言われました。だから、頭に残っている後の指示にしか反応しないのだと。

そこで今回の宿題は
・長文エコー(といっても短いのから、1語文でも普段聞きなれていない言葉や意味のなさないような言葉、2.3語文の短いものでこれも普段あまり使わないような言葉をエコーさせる)
  
*日常よく使う言葉は、きちんと覚えてなくても推測できたりするので訓練としてはあまり耳にしない言葉がいいそうです
・カードを色+名前で選択させる
(基本の絵数種類を描いて、それを数枚コピーし、色を付けカードにする。課題の出し方は、例えば赤い車と黄色い車、赤い靴と黄色い靴の4枚を出して、「赤い靴」などと言って選択させる。(早速、靴・ハサミ・風船・タオル・傘・車の六種類のカードを作りました)
  
*色だけ聞いても、物の名前だけ聞いても50%の確率になるんできちんと色と物の名前が聞き取れないといけない。これができ始めるとまた聞き手行動のレベルが上がって日常生活がさらに過ごしやすくなり、2語文の表出のなどの基礎になる。あと、コピーをする時に拡大・縮小も取っておくと大きい小さいもカードで選択出来るので取っておいた方がいいよ・・・と。
この2つを今後1ヶ月集中して行うように!
と言うことでした。


      ・長文エコー
長文にはほど遠いが、こてつがやる気を失わない4文字のエコーから開始。例え4文字でもこてつにとって聞きなれない言葉はエコー困難。それっぽく言ってるけどどこか違うぞ!っていう感じ。1回で言えれば勿論強化だが、おしいと2,3回言わせて近づいたら強化している。強化なしにそれ以上言わせると、本人がやる気を失ったりするので加減が難しい。先生にはその後のメールにて「次回セッション時には五文字のエコーを」ということになったが・・・出来るのかとっても怪しい。

      ・カードの4択
やり始めはやはり色か物のどちらかしか聞けていなかったが、慣れてきたのか(カードの種類も少ないし)調子のいい日は、100%可能となってきた。まだ、いつでもと言うわけではなく、ダメな日は全然指示が入らない。本人も難しいようであまり沢山はしたくない課題のようだ。
正解する時は、私が問題を出すとそれをエコーしながら答えを出している感じ。間違う時はエコーも色か物のどちらかだけになっていたりする。


<3歳>

ーーーセッションの様子ーーー
今回は自宅を使用して行う。その為こてつも泣かずに、ややリラックスしてできる。と言っても始まりはいつもと違う室内の雰囲気にべそをかいていたのだが「バイバイ」など慣れた音声模倣を行うことで落ち着きを取り戻した。
・色×物カードの4択の出来を先生が確認。エコーをあまりしないこてつ、そして選択は何度か出来たものの時間もかかり、困難な様子アリアリ。やはりエコーが出ると正解カードを選択できる為、このカード課題(色+物)は選択よりも命名を今後していくことになる。(子供さんによってどちらがいいかはそれぞれだそう)
そしてその命名も簡単に命名出来る絵カードの中に少しだけ紛れこませて行っていく。
先生とのやり取り中も、すぐに自分の世界に入ってしまうこてつ。単一の命名カードを提示された状態でも、命名をせずに自分の世界に入ろうとする。この状態が多くなると、「カードの提示をされてもすぐに答えなくてもいい」というのが当たり前になってしまい、それはよくないことなのでその都度先生がリセットを行う。色々な方法があるのだろうが、この日こてつに行ったのはカードを裏返しにし、何も絵のない状態でカードを「トントン」と言ってノックさせる。出来れば(=こっちの世界に戻ってきて、カードに注意がいっている)すぐカードを表に返して命名させる。
そして、この色×物カードの命名はそのまま宿題となった。
・長文エコー:長文にはほど遠いが・・・私が全く日本語の単語にないものを言っているというと、今は単語でこてつが聞いたことがあるかないか?というレベルのものにしていくとよいと言われる。こてつにとって知っている単語もあれば知らない単語もある方がいいと。例えば知っている単語を8とするなら知らない単語は2位の割合で。知らない単語ばかりでは楽しくなくなるから。
そしてこれも聴覚のみの記憶や理解力を上げる為に引き続き宿題となる。
あとは、課題の間に聞き手行動(頭と言って頭を触らせたり、立ってと言って立たせたり)を挟んだり、触覚刺激に過敏なこてつに刺激に慣れさせる為にコチョコチョしたり。

ーーーとにかく今回は切り替えの悪さ(課題中、すぐに自分の世界に入り容易に戻らない)が目立ち、その点は普段の私との訓練時も気になっていたことなんで、今後は「切り替え」を意識して訓練(生活)していくように指導される。課題、自由などの切り替えが上手く出来ることが将来色々な場面で必要になってくるから、今から3年くらいは気にかけて・・・ということ。
あと、宿題にもう一つ「ひらがな」の読みが出た。方法としては今使ってる絵カードの大きさでひらがなカードを作り、絵カードの中に少しずつ紛れこませて読ませるということ。
早速ひらがなカード作りだ・・・。


それにしても、、、「物には名前がある」って言うことさえ知らなかった、指差しさえしなかった、何時までたっても赤ん坊のこてつが、昨年からABAを開始し、わずか8〜9ヶ月で今では独り言も多いものの、言葉がコミュニケーションの手段になるという事を理解し、自分の意思を単語レベル(時に2語文もチラホラ)とはいえ言葉で伝えてくれるようになった。こちらの言うことも簡単な指示には従い、保育園でも先生と言語によるコミュニケーションがはかれているらしい。ものすごい進歩だと思う。わずか1年前は絶望に打ちひしがれていたのが、遠い昔のように感じる。
今年の初めに先生から「春くらいには口形模倣、音声模倣に持っていって、夏くらいにはカードを見て命名が出来るかな」といわれた時、「本当にそんな日が来るのか?」と夢のように思った。夢ではなかった。

     ・色×物カードの命名
既に知っている絵カードに、色×物カードを挟み命名させていく。が、、集中力は続かないし(3〜4枚でもうほかのことをしたがる)、なかなか進まない。エコーをさせようにも聞いてなかったり。
それでも、「赤い〜」シリーズはカードの提示だけで言えるようになり、「青い〜」は「赤い〜」と言い間違えるが、自分でゆっくりと訂正できるようになった。

     ・ひらがなの読み
絵カードに紛らせたひらがなカード。短音だと50音のうち読めるものが多い。ただ、「さ」を「き」と言ってしまうのは、毎日やってるが治らない。
調子にのって簡単な、単語のみの絵本を1文字づつ読ませようとしたら、拒否された。

     ・長文エコー
遊びとしてやっている。こてつも嫌がっていないが課題が進んでいるという手応えもない。足踏み。


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